出産は死ぬほど痛いらしい。
未知の痛みへの恐怖で怯えていたわたしがこのたび第一子を出産しました。
妊娠発覚後の産院選びでは迷いなく無痛分娩の出来る産院を選択しました。
この記事では前期破水で緊急入院となったわたしの無痛分娩レポートを書いていきます。
これから出産する方や出産に恐怖を感じている方など、この記事が誰かの役に立てればと祈っていますが、完全に主観で書いているものなので、参考までにご覧頂けたらと思います。
入院までの経過
21時
入浴中に湯舟で乳房のマッサージをいつものように行っていた。
途中「プチっ」と何かが弾けたような音と感覚があり(痛みはなし)ブクブクと陰部から何か出ているのがわかる。
慌てて浴槽を出るとパシャ、パシャと少量の水のようなものが出る。湯舟で何か出たような感覚がしたのはこの水だったのか…
慌ててお風呂を出てナプキンをあてて病院に連絡。「破水しているか確認するのですぐにきてください」と言われ病院受診。
22時
病院に到着。
破水を確認するための検査キットを助産師さんが持ってきて検査実施。色に変化がなく(破水していると変色するらしい)破水と断定できず。NSTを行い一度帰宅となる。
23時
帰宅後すぐに生理出血のような生暖かい感覚が…トイレでナプキンを確認するとやはりまた水が出ている。
病院に再度連絡すると「もう一度来てください」と言われ再度受診となる。
病院につくと先ほどと同じ検査を実施。今度は変色し破水と確認できる。
そのまま緊急入院となる。
陣痛~出産までの痛みについての経過
0時
緊急入院となり、疲れきっていたのでそのまま就寝…
かと思いきや生理痛のような不規則な痛みが出てくる。
それでも眠らなければと思い目だけ閉じて痛みと不安に耐える。
(ほとんど眠れず)
3時30分
10分ごとに陣痛?のような痛みが出てくる。
まだ耐えられる範囲で、このまま様子を見ることに。
無痛分娩のための麻酔は8時にならなければ処置に入れないとのこと。そこまで持ってくれと祈りながら、結局一睡も出来ずに朝を迎える。
7時30分
不規則な痛みは8分間隔くらいに短くなってくる。強めの生理痛のような痛み。
だんだんと辛くなってきたがまだ耐えられる痛みで「吐く息を長く」を意識した呼吸法を行う。吐く息が短いと必然的に吸う息も短くなり苦しくなるとYouTubeで見たからだ。
麻酔をかける前だが朝食を半分だけなら食べても良いという指示がある。食事は通常通り食べることが出来た。
8時30分
硬膜外麻酔のチューブを留置するため手術室から呼び出しがある。
「間に合った!」と安堵するがこの頃から痛みの間隔が6分くらいになってきており、ベッドから椅子への移動も辛くなってくる。
ただ、ここまではまだなんとか耐えられる痛み。冷や汗の出る生理痛+腹痛のようなイメージ。
車いすで手術室へ移動し硬麻チューブ留置の処置を受ける。
筋肉注射くらいの痛みと聞いていたが、少しチクっとする程度で筋肉注射の方が痛いかも?と思う。
数分で処置は終了し病室へ帰る。結論、わたしの場合硬麻チューブの穿刺は筋肉注射よりも痛くなかった。
無痛の薬は子宮口が5センチ程度ひらいてから開始するとのこと。
9時30分 内診ぐりぐり
子宮口を広げるための水風船を留置すると言われていたが、ラテックスアレルギーのため水風船は使用出来ないと。噂でよくきく内診ぐりぐりとやらの処置をしてもらう。
内診台にあがりDrが子宮口をぐりぐりとする(そんな単純じゃないだろうけどわたしの感覚)
わたしはこれが痛かった…。
子宮口をこじあけられるようなイメージでDrはかなり強くぐりぐりしてくる。
もともと不規則にきていた腹痛とともにぐりぐりが痛くて痛くて…
「痛い、痛い…」と声が出て涙も出てきた。
おそらく1分にも満たない処置だったがとても長く感じた。
終わってからも痛みでしばらく放心状態。内診台から立ち上がれずにいた。少量出血もあった。
この内診ぐりぐりから本陣痛に移行していく。
10時 子宮口1センチ 5分間隔
内診ぐりぐり後より痛みが強く、助産師さんに内診してもらう。
子宮口は1センチ。
「この痛みで本当に1センチ!?」と思うくらい痛くて、ベッド柵に必死につかまっていた。
痛みの間隔は5分くらい。
仰向けは痛むので横向きで必死に陣痛に耐える。
12時 子宮口1~2センチ
痛みが強くなっていくが助産師さんの内診ではまだまだ進んでいないと。良くて2センチ。この頃からうなりながら痛みに耐える。子宮を握られるような、なんとも言えない痛み。
痛みの間隔は3~5分だったと思う。
昼食が運ばれてくるが、ご飯1口とお肉1口だけ食べて、それ以上は食べられず。
13時 子宮口2センチ
だんだんと息も荒くなってくる。まだ子宮口は2センチ程度で進んでいないと言われ「嘘でしょ!?」と耳を疑う。
わたしがあまりに痛がるのでDrの指示で少し緩い麻酔を早めにかけてもらうことに。
横向き1分、仰向け1分の姿勢を維持しなければならず、痛みの中での仰向けが辛くて辛くて…
しかしこの麻酔をしても痛みは和らぐことなく、陣痛もどんどん強くなっていく。
13時50分 子宮口4~5センチ
叫び声が出るほどの痛みが出始めDrが内診にくる。「良い陣痛がついているのでは?」とDr。
するとあっという間に4~5センチに開いてるとのことでメインの麻酔開始となる。
子宮をドリルで突かれているのではないかと思うような痛みで叫び声が出続ける。
14時40分 子宮口全開
メインの麻酔開始後も痛みが和らぐことなく、叫び続けていた。
出血もあり、助産師さんが内診したところなんと全開に!
スタッフが大勢集まってきて出産の準備に入る。
Drも慌てて分娩室に入ってくる。
「初産でこのスピードで全開になるなんて…陣痛のパワーが強すぎて麻酔がうまく効いていないのでは」
とDr。
間隔も空かなくなってきてひたすら子宮をドリルで突かれているような痛みに耐える。
「痛い!痛い!」と大声で叫び続けたし泣いた。
汗だくで歯を食いしばりながらの出産。自分としては麻酔がもっと効く予定だったのに予想外の展開に心もついていかなかった。
15時30分
出産も終盤に。
息つく間もなく痛みが襲ってくる。
麻酔が効いて少しでも楽になればと祈り続けるが、全く痛みは変わらず。
汗だくでいきむ体力がなくなってきた頃、胎児の心拍も徐脈に。
酸素マスクを装着する。
「このままいきたい!」と先生。急遽吸引分娩となる。
チョキチョキと会陰を切開する音が聞こえる。
陣痛が痛すぎるからか、硬麻が効いていたからか、会陰切開は音だけで何も感じなかった。
頭を引っ張られている赤ちゃんの姿が見えて「ゴールが見えた!」と思うとともに「もう力いれなくていいよ!」とDrに言われる。
そしてドゥルンと爆誕!👶
赤ちゃんが出てくる瞬間は、痛みは感じず1年分の便秘を解消したようなすっきり感が!
あまり泣き声が聞こえず「泣いてる?泣いてますか?」と先生に確認。
「大丈夫そう!!」と先生。
その後はっきりと産声が聞こえて安心し、ほっと溜息をつく。
出産は感動するとか神秘的とか素晴らしい体験とかポジティブな言い回しだとこんな表現をする人がいるけど、「なんて恐ろしい体験だったんだ」とわたしは思った。そして分娩台でしばらく放心状態だった。
感動の涙も出なかった。
ただ、赤ちゃんを抱いた瞬間は達成感と感謝の気持ちが沸き上がってきた。
こんにちは、わたしの赤ちゃん
というわけで、麻酔の効果はあまり感じることが出来ませんでしたが、ありがたいことに母子ともに健康で無事に退院も出来ました。
出産の痛みについて、腰が痛いとか息が苦しいとか鼻からスイカとか、様々な表現があるけど、わたしが感じた最大瞬間風速時の痛みは「子宮をドリルで突かれているような痛み」でした。
腰痛や息苦しさよりもとにかく子宮の痛みだったような気がしています。
わたしの場合、子宮口4.5センチから全開になるまでのスピードが早すぎて麻酔よりも陣痛のパワーが上回るという結果になりました。
Drの話だと初産では珍しい本陣痛が始まってから5時間の超スピード出産だったとのこと。そのため、麻酔は効いていたがそれ以上に陣痛のパワーが強すぎたとのこと。
出産を振り返って思うと確かに4~5センチから全開までの痛みに変化はなかったように感じます。もしかしたら麻酔が効いていたからかな?と。
マニュアル通りのお産なんて無いんだなと感じました。そして出産に至るまで、いろんな人たちの出産レポート読み漁ってきたけど、似たような出産になった人なんていなかったなぁ…。
だけど、痛みに弱くて生理痛もほとんどないわたしでも、無事に産めました。
終わってみたら陣痛に耐える時間より、その後の育児の方が大変だと感じています。
陣痛は怖いけど、子宮口全開になってからも痛みの間隔があるので、痛みがなくなったらとにかく深呼吸して!!
必ず陣痛に終わりは来ます。
そして自分の命より大切だと思える存在に出逢えます。
さてこの記事がどなたかのお役に立てるのでしょうか?
育児に追われながら書いたレポート。わたしも怖くて怖くてたまらなかったから、読み返して整えながら、陣痛の恐怖で不安な方に寄り添う文章に修正していきます。
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