わたしの家族は両親が共働きで、同居の祖父母に育てられてきました。祖母はお酒を飲んだり暴力を振るうような人で、祖父は優しい所もありましたが、あまりわたしたちの味方をしてくれる人ではありませんでした。激務だった両親は自分のことに精一杯で、わたしたち子どもには無関心でした。
ただ、とても優しい両親でわたしが結婚するまでずっと仲が良かったです。「良い両親」と思っていましたし、よく働いて尊敬していました。
正直なところ、両親のおかげで所得は高くお金に困るような経験はなかったと思います。しかし、精神的に満たされることはあまりありませんでした。学校であった出来事や進路の相談を聞いてくれる大人もいなかったなぁと…。
大人になるまで、我が家の機能不全は全て祖母が悪いと考えてきました。なぜなら、祖父、両親が祖母の悪口を子どものいる前で言い続けていたからです。しかし年齢を重ねるにつれて祖母以外の周囲の大人の無責任さや悪い所に気付き始め、なぜか妊娠してから家庭環境について考え、精神的に辛いと思う時期がありました。
現在メンタルヘルスに関する仕事に携わっていますが、「親性準備性」という言葉に出会いました。これは実際に親になる前の段階で、親としての役割を果たすために必要な資質や能力のことを指しているそうです。
これから親になるわたしは子育てが始まる前に、自分自身の育てなおしをしていかなければならない、と考え少しブルーになっていたのかもしれないと思います。
「親と合わない」そんな風に思う人は世の中にたくさんいると思います。
わたしが大好きで仲良しだった両親と妊娠してから「合わない」と感じるようになった振り返りをしたいと思います。そして両親を反面教師にするため、この経験を子育てに生かしたいと思い記事に残しました。
母親から父親や祖父母の悪口を聞かされていた(母子関係逆転)
この影響は絶大だったと今振り返っても思っています。
正直、結婚して家を出るまで母とは共依存状態でした。
「母の近くに嫁ぎたい」とずっと考えていたわたしを突き動かしていたのは「家族仲が悪くてお母さんが可哀そう」という気持ちが幼少期からあったからです。
この時点でわたしは自由ではありませんでした。
わたしには兄がいますが、母は兄たちには一線引いているように思いました。しかしわたしにはなんでも包み隠さず話してくれます。
確かに、母のストレスは尋常ではなかったと思います。しかし悪口を聞くたびに家族に腹を立てたわたしは「母の分も言い返す」と思い父や祖父母とぶつかり続けてきました。
自分の夢や時間を犠牲にしたり、嫁ぎ先までこうやって無意識に支配されていたことに、完全に家を出てからようやく気付いたのです。
両親ともに何か相談をしても「わからん」と言う(親が無責任)
幼い頃からそうでしたが、何か相談をしても「わからん」という返事がくるばかりで、相談出来る人はいませんでした。
そして記憶に残っているのは、疲れ切ってソファに倒れこんでいる母に話しかけても「今話しかけてこないでくれ」という雰囲気です。父親も疲れ果てており、ぼーっとテレビを見るだけで会話もなく抜け殻のような両親でした。
それなのに進路に不満があると、その進路が決まってから「お母さんは本当はこうしてほしかった」「お父さんはこういう資格とかも良いと思ったけどどうせ言うこときかないから」ともう後戻り出来ない状態になってからの無責任発言でした。
たしかに、干渉はされずその時は気楽だったと思います。
しかし、子どもと向き合う、責任をもって育てる、そういう所が欠落した両親。それは同居の祖父母がみてくれているという甘えがもしかしたらあったのかもしれません。
優しいだけではなく伝えるべきことは伝える(事なかれ主義になるな)
わたしの両親は確かに優しいのです。それは優しすぎるくらいで、あの2人を嫌いな人はあまりいないのではないかと思います。
しかし子どもからするとたまったもんじゃありません。注意するべきときにきちんと叱ってもくれない、祖父母が圧倒的に悪い状態でも注意もしない、兄が人生の選択を誤っても「もめたくないから」という理由で何も言わない。
優しいということは時に恐ろしいことだと、家を出て社会で恥をたくさんかいたり、結婚して夫の家庭の様子を見てからようやく気付いたのです。
「その場の雰囲気が悪くなるから言いにくい」という気持ちはわかりますが、本当にその人のためになることを考えると、少しストレスがかかってもきちんと伝えるべきでしょう。当たり前のことをしてくれなかった両親に気付き、悲しい気持ちになっていました。
こんな家庭じゃなかったら、わたしの人生は違ったのかな。
そんな風に思うこともあります。しかし、30歳超えた今、いつまでも家族のせいにしていてはいけない。
もうすぐでわたしも親になります。同じことを繰り返してしまわないようにしたい。最近のわたしの目標は
- 自分自身が自立すること(子どもと共依存にならない)
- 忙しくても、子どもの話は必ず聞くこと
- 「責任感」とか「家族の悪口を言わない」なんて当たり前。(正直論外だったと思っている)責任をもって育てるが過干渉にはならないこと
今まず自分が見直すべきことはこの3つだと思っています。これから赤ちゃんが生まれてもっともっと様々な感情が芽生えると思いますが、その都度育てなおしをしていきたい。夫にも協力してもらいながら少しずつ積み重ねていきます。
そして両親と合わない、と書きましたが、やっぱりわたしは両親が好きだしいつまでも元気でいてほしいと願っています。少し複雑な家庭環境でしたが、これを学びに…。しっかり子育てに反映していけたらと思います。
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