看護師の働き方~わたしの職歴~

わたしは30代看護師、転職歴はすでに5回目。

そんなわたしは現在健診クリニックに勤務する健診ナースとして働いている。

メアリー
メアリー

一応正社員です…

これまで様々な職場経験を積み、病院以外の場所も見てきたからこそわかる職場の裏側について今日は書いていく。

①総合病院(国立系)

新卒で勤務したのは国立系の総合病院。精神科の救急病棟と外科系病棟をそれぞれおよそ3年ずつ経験した。

わたしのいた病棟は3交代制。日勤帯は7対1(患者様7名に対して看護師1名の配置)、準夜、深夜はそれぞれ2人ずつ+遅番、早番のスタッフでまわしていた。

メアリー
メアリー

夜勤スタッフも5人くらいいたら穏やかな朝を迎えられるのに…

多重課題が苦手でのんびりしているわたしにとって1番辛かったことは、緊急入院・緊急手術(外科系配属時)が毎日のようにあること。

予定入院、予定手術だけなら、まだ平気。だがしかし平和に勤務が終わるはずもなく、毎日救急車が何台も入ってくる。

それも日中だけでなく夜間も容赦ないのだ。

その上患者さんの状態が急変したり、転倒したり…精神科時代はナースコールが一生鳴り続けていたので仮眠もほとんど取れなかった。

患者さんのケアにあたりながら、入院や手術、突発的なトラブルの対応等、様々な業務をこなさなければならず、入社したての頃はついていけなくて泣いてばかりだった。

しかしおっちょこちょいなわたしでも鍛えられ、数年経過するといつの間にかこなせるようになっていた。

メアリー
メアリー

点滴スタンド2本一気になぎ倒したこともあるくらいどんくさいよ

こんなわたしでも先輩や同僚のサポートもあり、看護師は辞めずに続けることが出来た。プリセプターは2回も経験させてもらった。

仕事は比較的順調だったが次第に夜勤に身体がついていかなくなり、心身ともに疲弊していった。6年目にして日勤帯の仕事へ転職するため退職した。

とても大変だった病院時代。しかし全ての看護の基礎は臨床で学ぶことが出来た。その後の看護師人生でもこの経験により様々な場面で救われ、今も臨床で学んだことは生かされ続けている。

②健診センター

次に選んだ転職先は健診センターだった。日勤帯であり日曜日も休み、年末年始やゴールデンウィークは大型連休が取れることも魅力の1つだった。そして何より健康な人を相手にしているという安心感もあった。

採血に苦手意識がなかったわたしは迷わずこの道を選んだ。きっと病院より楽になるのではないかと思っていた。

しかしこの考えは甘かったことに1週間で気付かされる。

まず最初に血液検体の処理の方法について学ばなければならなかった。

病院時代は検査課があったため、採取した血液検体を処理することはなかった。

メアリー
メアリー

血液は採取するだけだと思っていたよ…

しかし健診センターでは採取した血液検体をその後遠心分離にかけたり、冷却したり、検査項目によって処理方法が変わってくる。

しかも時間が厳しい。30分以内に遠心分離、1時間以内に冷却等、処理方法は項目によって変わる。

巡回健診でバスに乗って健診に出るときには、クーラーボックスで温度を管理しなければならない。氷を大量に持っていき、温度を適切に保つために氷を出し入れする作業もなかなか大変だった。

温度管理をしながら毎日100人以上の採血をこなさなければならないのだ。

そして決められた時間内に数百人の採血を終わらせるためには、翼状針ばかり使ってはいられない。基本は直針になる。

1人失敗するとおよそ2,3分のロスタイムになる。するとどんどん採血コーナーが込み合ってきてしまい、とにかく慌てるし焦る…

健診なら健康な人相手だし、急変もないし、という考えは非常に甘かった。

しかし健診センターに勤務して、自分の採血の力量が変わってきたのを感じている。

病棟にいた頃にはじっくりと迷いながらも翼状針を使って採取していた。今はある程度指で触れられる血管なら、直針でミスなく採取することが出来る。

正確さ、判断力、スピード感、安全な部位の選定…

採血についての勉強会も頻繁にあり、深く学ぶことが出来ている。日々様々な血管と向き合うことで、病棟にいた頃よりも随分上達したと感じている。

③訪問看護

東京にいた期間のおよそ2年間、お手伝いしていた訪問看護。

都内の様々な地域に電動自転車を使って移動し、利用者さんのご自宅へ行ってケアをする。

メアリー
メアリー

天気の良い日の電動自転車は最高に気持ち良かったよ~

わたしは主に入浴介助、入浴後の創傷処置を担当することが多かった。

利用者さん、ご家族はたいてい皆さん親切で、孫のように可愛がってくれた。

しかし中にはケアに対するこだわりの強いご家族がおられたり、訪問に拒否のある利用者さんがおられることもあった。

看護介入の難しい利用者さんに対しては、管理者と相談しながら方針を決めてすすめていった。

3か月拒否され続けた患者さんに根気強く訪問し、3か月目でようやく自宅に入れてもらった時は、管理者と一緒に大喜びした経験も。

しかしご家族に無視されて傷付いたこともある。(ご家族の思いを汲めていなかったり、理由は様々)

病棟で患者さんのケアをすることと、自宅に行ってケアすることでは、心の持ち方もお互いに随分違うものだと実感した。

そして何より、看護師と患者さん、ご家族の信頼関係はとても重要なものとなる。

また、病棟のように大量に医療品等の物品があるわけではない。患者さんの経済状況や自宅の環境によって出来るケアも変わってくるのだ。

患者さんの状態に加え、家族背景、経済状況、社会資源…

様々な知識が求められる訪問看護で、病棟にいた頃とは違う視点で看護を経験することが出来た。

④通所介護(デイサービス)

訪問看護と同じ会社のデイサービスのお手伝いも時々させてもらっていた。

デイサービスには様々な高齢者が来るが、9割以上は認知症の方だった。

看護師の業務としてはバイタルサインチェック、その日の記録、入浴後の褥瘡処置、排泄介助、バルンカテーテル管理、ストマ管理、機能訓練…このあたりだろう。

高度な処置は求められないが、デイサービス内で体調に異変をきたす人もいる。また、利用者さんの9割は認知症なのでなかなか自分の症状を訴えられないことが多い。

そのため日々の体のチェックは本当に大切な業務になる。アグレッシブな医療行為は求められないが、日々の小さな変化に気付くことが大変重要となる。

デイサービスで苦労したことは、介護士さんとの人間関係だ。

デイサービスのスタッフのほとんどは介護士。看護師は基本的に1人か2人しか配置されない。

介護士さんから手伝いを頼まれると、看護師以外の業務まで幅広くこなさなければならない。

メアリー
メアリー

介護士さんとの関係に悩んで辞めていった先輩もいたなぁ……

わたしの場合は可能な限り介護業務を手伝い、人間関係も上手く乗り切ることが出来た。

また、看護師が1人という状況はとても不安だったが、判断力も養われた。じっくりと疾患に関する本に目を通すことが出来るため、知識も増えた。

いつの間にか、介護士さんたちからの質問にもある程度はこたえられるようになっていた。

病院、健診センター、通所介護、訪問看護を経験し、当たり前だがその現場により求められるスキルが少しずつ違う。

しかし、看護の基礎は変わらない。病院で学んできたことをベースに、少しずつ必要な知識を取り入れていけば、きっとどこへ行っても看護師として勤めることが出来ると実感している。

ただ、雰囲気は職場によって随分変わるため、合う、合わないは必ずあると思う。

可能であれば、転職活動中に見学に行かせてもらって職場の雰囲気を見てきたり、気になることや質問はもれなくしておくといいだろう。

実際に入社してから「こんなはずじゃなかった」となることが一番つらいからだ。

自分の譲りたくないことと、妥協できることは書き出しておくと明確化しやすい。

完璧で理想通りな職場なんてほとんど存在しないと思うが、妥協点がはっきりしていると納得できることが多い。

5回転職したわたしでも、今納得のいく職場で勤務出来ている。きっとじっくり時間をかけて探せば、理想の職場に出会える日もくると思う。

この記事が、転職活動に悩む看護師さんの参考に少しでもなればと祈っている。

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