精神科看護の良いところ

映えない暮らし

精神科という特殊な科を3年経験したわたしですが、特殊すぎて「どんな感じなの?」と聞かれることが多いです。

今日は精神科看護の良いところをあげてみました。

①日々のコミュニケーションにより患者様の変化が見える

精神科の看護の基本はコミュニケーションです。日々の会話や言葉かけにより患者様の状態も大きく変わります。

看護師の言葉かけで「救われた」と言ってくださる患者様もおられます。

もちろん、悪化することもあります。(「あの看護師を担当から外してくれ」と訴える方もいる)

赴任したばかりの頃は、会話でここまで症状が変化することに恐怖すら感じていました。

しかし他のスタッフのサポートもあり、少しずつ患者様の理解を深めることが出来ました。

自分の関わりにより、沈んだ患者様の表情を少しでも変えることが出来たときは、喜びも大きかったです。

精神科のベテランナースはすごいです。距離の取り方や患者様に合った言葉かけがとにかく適格。

コミュニケーションや言葉かけで状態が変化するなんて、精神科ならではですよね✨

②じっくりと長期的に1人の患者様と関わることが可能

急性期、とくに外科系の領域ではとにかくベッドの回転率が早い。3日でも休んだ日には知らないうちに受け持ちが付いて出勤する頃には顔を見ることもなく退院、サマリーだけは書いてね、というようなこともザラにありました。

それが精神科では在院日数が長く、1人の患者様をじっくりと理解することが出来ました。以前勤めていた精神科の平均在院日数はおよそ100日だったと記憶しています。(現在は長期入院も減ってきておりもう少し少なくなっているかも?)

100日も受け持ち患者さんと接すると、退院した時の喜びも大きいです。(そして寂しさもあります)その人のこれまでの人生、家族の背景も理解した上で関われることも、楽しさの1つだと思っています。

③観察力や察する力が養われる

精神科で観察するところは、フィジカル面ばかりでなく表情や言動まで観ています。

会話の中で一瞬変化した表情や発言、「これは言うべきではない」と地雷を踏む言葉を言わないという判断。

精神科で養われたこの能力は、後の転職先全てにおいて「良く気付けるナース」という評価でかえってきています。

精神科に赴任するまでのわたしは、まるで人に興味がなかったです。こんな無関心な人間でも親友と呼べる人は数名いますが(ありがたい)「彼女たちの好きな食べもの」すら記憶出来ず、察する気持ちすらなかったです。

しかし精神科ナースになって変わることが出来ました。とにかく人をよく見るようになったと思います。

友人たちへの理解も深まり、より親密な関係を持てるように✨

(この経験がなかったら、わたしは相手を知るという大切さを人生のどこで学べていたんだろうか、と不安になるほど)

とにかく精神科ナースの観察力はすさまじいです。密なコミュニケーションにより小さな変化を見逃しません。(よく気付けるようになる分しんどいことも多々あるが)

日常にも生かせるようになり、わたしにとってはとても良い経験となりました。

④自己成長に繋がる(とくに精神的に)

精神的な部分で成長出来たことがやはり一番良かったことだと思います。

精神科の患者様は当たり前ですが、精神的に不安定な方が多いです。患者様の症状が悪化している時は、悲しい思いをすることもあります。

しかし、疾患を理解すれば受け止めることが出来るようになります。

精神科に赴任したての頃は傷つく出来事もありました。

でもそれは、患者様の疾患の理解がなかったから。こういう対応をされたことは仕方がないこと、と学びを深めるたびに思えるようになりました。

それから精神科のカルテは特殊です。わたしのいた病棟ではSOAPを使用していましたがS情報がとても長いです。会話したポイントから要点をまとめても一般科のS情報より随分長くなります。

それはやりとりの中からアセスメントを行い、次のプランを立てるから。会話を振り返り「この言葉は言うべきではなかった」「この言葉が良かったのかも?」と記録を付けるたびに自然と関わりの振り返りが行えます。

これは精神科看護にも生かせますが、日常の対人関係でも生かせることが出来ました。

精神科に配属になってから、友人や家族との関わりが随分変化しました。

これは本当に自己成長出来たと思えた瞬間です。

精神科はとても特殊で看護師の友人からも「楽しいの?」と質問されることが多いです。

でもわたしは「楽しいよ!大好きな領域」と必ず返事をしています。

今は理由があり、臨床から離れていますが、いつか必ず精神科ナースに復帰したい。その日を目指して引き続き学び続けたいです。

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